みかん農家が教えるみかん畑に生える4種類の雑草
みかん農家が教えるみかん畑に生える4種類の雑草
今回は私たちが住む佐賀県藤津郡太良町でのみかん栽培で手を焼いている雑草(悪い草)について取り上げていきます。
みかんに対しいい草は後々上げていきます。
目次 1、みかんにとって悪い草
1:増える草
2:除草剤に強い草
3:背が高くなる草
4:ツル性の草
1、みかんにとって悪い草
セイタカアワダチソウ、オオアレチノギク、イヌホウズキ、イノコヅチ、カラムシ、ヘクソカズラ、クズ、ヒルガオ、カラスウリ
ここにあげている悪い草は、私たち佐賀県太良町でのみかん栽培で手を焼いている雑草たちです。そもそもみかんにとって悪い草とはどういった草になるのでしょう。なぜみかんにとって悪いのか。悪い草の特徴として増える草、除草剤に強い草、背が高くなる草、ツル性の雑草があります。みかんの発育を邪魔してみかんの実にキズをつけやすいものたちです。
一つずつ見ていきましょう。
1:増える草
「発芽→開花→種子をつくる→枯れる」の一年草に対して枯れずに何年も続けて咲くのが多年草です。この多年草は、1回畑に侵入したらなかなか減らすのが難しくなります。悪い草のほとんどは多年草です。種でも増えますが地下部がそのまま残っていて毎年ずっと続けて生える宿根性雑草も増える悪い草になります。
セイタカアワダチソウ、オオアレチノギク、イヌホウズキ、イノコヅチ、カラムシ、ヘ クソカズラ、クズ、ヒルガオ、カラスウリなどが増える草になります。
〇イノコヅチ
ヒユ科の多年草です。手で引き抜いても抜きにくいです。引き抜きでも茎だけがとれて根まで取れにくいです。その残った根からまたどんどん生えていきます。茎の節が膨らんで赤いのが特徴です。
2:除草剤に強い草
ここであげている雑草はどれも強いですが、オオアレチノギクとヘクソカズラは特に強いです。雑草が生えているからと除草剤ばかりをかけていると除草剤に強い草ばかり残ってしまいます。
3:背が高くなる草
成長が早くみかんの実にキズをつけます。また背が高いのでみかんの木が日照不足になりやすいです。セイタカアワダチソウ、オオアレチノギク、イヌホウズキ、カラムシがここではあげられます。
〇セイタカアワダチソウ
キク科の多年草で高い背丈が特徴。黄色の花を咲かせます。地下部からアレロパシー物質を分泌し、他の植物の種子発芽を抑制します。このためにセイタカアワダチソウだけが増えてしまいます。
〇オオアレチノギク
キク科の植物。南アメリカ原産で、日本では昭和初期からの外来植物です。道端や荒れ地で見られます。除草剤に対して耐性があるので除草剤をかけ続けるとその種だけが多くなっていきます。また、これもアレロパシー物質を分泌します。
これはみかん畑にオオアレチノギクが増えている様子です。
〇イヌホウズキ
ナス科の植物です。よく私たちは「なすび草」と呼んでいます。成長が早く大きくなりたくさんの実をつけて増えます。一年草と他の所では書いてありますが、私たちの所では地上部が枯れても地下部が残っていて毎年繁茂していきます。
〇カラムシ
イラクサ科の多年草です。地下茎を伸ばしながら繁茂するので刈り取りにも強く地下茎を取り除かなければすぐ生えてきます。これも成長が早くすぐおおきくなります。私たちはこれを「ポンポン草」と呼んでいます。
4:ツル性の草
ツル性の草は木に絡みつき繁茂するとみかんの実を傷つけたり、日照不足にさせます。最悪の場合、木を枯らすこともあります。
〇ヘクソカズラ
アカネ科のツル性多年草です。葉や茎に悪臭があることからこの名がついています。除草剤にも強く、地面に広がり、節ごとに根を伸ばし成長していきます。みかんの木にもツルを伸ばし絡んでいくので厄介な雑草です。
〇クズ
マメ科のツル性多年草です。ツルを伸ばして広範囲に根を下ろし繁殖力が強いです。成長が早くツルが10メートル以上にも伸びみかん園外からでも簡単に侵入して困らせます。
〇ヒルガオ
ヒルガオ科のツル性多年草です。アサガオと似ていますがこの花は昼間も咲いています。結実するのはまれですが地下茎で増え一度増えると駆除が難しい草です。
〇カラスウリ
ウリ科の植物でツル性の多年草です。地下には塊根を有します。これもかんの木にもツルを伸ばし絡んでいくので厄介です。塊根があるのでなかなか引き抜くことは難しいです。葉の表面が白の毛でおおわれている。
これがカラスウリの塊根になります。芋のように大きいです。
〇キカラスウリ
カラスウリに似ていて葉の表面がツルツルしているものをキカラスウリと言います。